YAMAHA Session Ⅱ 912J2014年12月31日 14時30分49秒

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新品の定価で10万円もしませんでしたが、26年間大きなトラブルもなく働いてくれています。電装系も非常にしっかりした部品が使われていて、昨年初めてトーンポットとミニトグルスイッチを交換した以外は、オリジナルのまま。フレットはジャンボフレットなので、一度すりあわせをしていますが、まだ交換の必要はありません。

アーム機構はノンロックタイプです。経験を積んだギタリストなら誰でも御存知でしょうが、フロイドローズのように、ナットやブリッジで弦を固定しなくても、弦の巻き方や演奏時のフォロー、適切な調整によって、チューニングの狂いを最小限に留める事は十分可能です。


80年代後半は、色んな機構を試せるだけの開発費があったのかもしれませんが、結果、中途半端で終わったように感じられる部分もいくつかあります。例えばこのナット。


ローラーナットの一種ですが、各弦が独立していないので、あまり意味があるとは思えません。また、ナット上部にバータイプのストリングガイドがあったのでは、ここで弦の動きが妨げられてしまいますし、一体何の為にローラーナットにしたのか、意図が分かりません。

これは推測ですが、ストリングガイドは設計時には無かったのを、後でやむをえず付けたのだと思います。これを外してみて判ったのですが、ローラーナットの上に弦が乗っているだけなので、ナットから糸巻きまでが激しく共振してしまいます。現代の高性能なローラーナットに交換しても良いのですが、今はシリコンオイルで滑りを良くする事で問題なく使えているので、このままにしてあります。


リアピックアップとブリッジプレートの間は、ギターシンセ用のデバイデッドピックアップを付けると弦との隙間が足りないので、ピックガードの一部を切り取りました。


ブリッジプレート可動部の支点はボールベアリングです。この部分も、試しに商品化してみたのでしょうが、安定度ではナイフエッジの2点支持の方がずっと優れていると思います。

それでも、私はこの感触が気に入っているので交換する気はありません。

アーム装着穴の反対側、6弦側にあるつまみを回すと、アンカーが降りて、弦が切れても他の弦のチューニングが狂わない状態(アームダウンのみ可能な状態)にする事もできますが、私はアームアップも多用するので常にフローティング状態にしています。


スプリングは4本です。3本も試してみましたが、アーム操作後の、ニュートラル位置への戻りが安定しませんでした。


下のカバーは電池ボックスです。ローインピーダンス・ピックアップ、アクティブ回路搭載なので電池を必要とします。


コントロールは、5ポジションロータリースイッチ、マスターボリューム、マスタートーン、一番下はミドルブースターです。その横のミニトグルスイッチはリアピックアップをシングルにするコイルタップ。

ロータリースイッチの横の、もっと小さなミニトグルスイッチは増設しました。これによって通常は不可能なフロントとリアのミックスや、3つ全てのミックスが可能です。 

East Village Guitars のガンさんに付けて頂きました。


ネックジョイント部が少し斜めにカットしてあるだけですが、ハイポジションは普通のストラトよりもずっと弾きやすく感じられます。