純正律2004年11月07日 15時13分24秒


完全に協和する音程(純正音程)の組み合わせで作られた音律が純正律です。
純正音程と、平均律を基に作られた音程との違いを知るには、長3度音程の響きを比べると良いでしょう。
ギタリスト、特に、深く歪んだサウンドでプレイする事の多いハードロック系ギタリストなら、誰でも純正音程による長3度の美しさを(そうとは知らなくても経験で)知っています。
普通にチューニングした3弦と2弦は平均律の長3度ですが、指の力の影響を受けない解放弦のままで弾いてもこの和音は濁っており、歪んだサウンドでは特に濁りが強調されます。
そこで2弦を低めに調弦していくと、あるポイントで全く音の揺れがない、カッチリと協和する場所が見つかります。
これが純正音程の長3度で、その響きは、1度ー5度による所謂パワーコードの安定感に匹敵する程です。
他のコードとの兼ね合いを考えると現実的ではないので、この状態のまま楽曲を演奏する事はできませんが、マルチトラックレコーディング等で部分的に収録する場合、あるコードの為だけにこうしたチューニングをする事もあります。
先にも書いた通り、歪んだサウンドでは微妙な協和度の違いもはっきりと判るので、初心者でも耳だけで純正音程を知る事ができます。

完全に協和する和音のみで構築された音楽をリアルタイムに演奏する事は、普通の楽器では不可能です。
ある調に合わせた純正律による音程は、別の調になると協和しないからですが、昔からあらゆる音楽家が夢見たであろう「調の制約が無い純正律音楽」という不可能も、MIDIを使えば可能なのです。
曲の進行に合わせてScaleTuning のデータを送信してやれば、瞬時に最適な調律へと変更できるので、楽曲データに組み込むだけでなく、リアルタイムの演奏でさえ可能です。
この事の意味、もの凄さに、もっと大勢の人が気付くべきだと思います。

私がこの事に気付いたのは恥ずかしながら最近になってからですが、とうに実験している人は大勢居ます。
特にこのサイトは勉強になるでしょう。
http://www.ne.jp/asahi/mariko/takanashi/masa/books/bookindex1.html

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