過去の日記より『手で書くという事』2024年06月15日 11時09分58秒


 ====== 過去の日記より ======

2003年1月7日

『手で書くという事』

コンピュータで全てを行うようになると、簡単な漢字も書けなくなってきた事に気付いて愕然とした・・そんな経験はありませんか?
コンピュータで文章を作ると前後の入れ替えや修正が簡単なので、文章の構成自体は上手になります。
が、「書く能力」が退化してしまうのです。
それは「考える能力の一部」が退化したという事でもあります。
私の場合、何か対策を考えねばと思っていた所で講師の仕事を始めたので、自然に解決しました。
授業では板書説明を沢山するからです。
書く事は大切です。
授業では「後で書く時間をあげるから、今は聞きながら理解する事に努めて下さい」と断って、板書説明をし、全員が完全に理解した事を確認してから、ゆっくりノートを取らせます。
説明を聞いて理解した内容をもう一度「手で書く」という作業を通して脳に定着させるわけです。
その上で、資料として渡すべきものは、音楽学校ではプリントアウトして配布し、大学ではPDFなどにしてサーバーに上げておき、各自ダウンロードさせます。
板書の仕方も毎回改良していくのですが、書く内容や説明の順序、その変更についてのメモなどは、これはコンピュータ内にきちんと保存していきます。
コンピュータという道具は「思考を助け増幅させる」ように使うべきで、決してそれによって精神活動が退化するような事があってはいけません。