「今を大切に」は悪くはないけど2003年01月20日 12時00分00秒


仏教的な考え方に関係のある書物では、ほとんどの場合どこかに「時空=時間と空間」について書かれた箇所があります。
またまたヘッセのシッダールタからの引用・・・
物語終盤でシッダールタが旧友ゴーヴィンダに「時間は実在しない」と教え諭すのですが、若い時はその論理が理解出来なくてとてももどかしい思いをしました。
もちろん今でも完全に解ったわけではないですが、40歳も近くなると自分なりの解釈というやつができるようになります。

人は「今現在」を認識する事しかできません。
過去や未来という「概念」が存在するだけで、過去や未来を「実感」することなどできないのです。
誰にとっても「今、此処、私」以外はありえないのですから、なんとなく浅薄に聞こえる「今を大切にしたい」という考え方は間違ってはいないと思います。
ただし、「今、此処、私」だけに意識の焦点を合わせていると、それは我侭な子供じみた、単なる刹那主義にすぎません。
何時に於ける自分も、何処に有っての自分も、誰にとっての今も、同じ様に大切なのですから、「今、此処、私」と同時に「何時でも、何処でも、誰でも」という普遍性を合わせ持つべきです。
ところで・・断っておきますが、私は全くの無宗教です。

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