好きな作家の話「立原正秋」2003年01月02日 12時00分00秒


正月なので少しだけ昼酒をしてしまいました。
飲みながら本を読むというのが私の道楽の一つです。
ゆったりと贅沢な気分に浸れます。
今日は立原正秋の小説ではなく、立原正秋の伝記、高井有一著「立原正秋」を読んでいました。

立原文学を一言で表す言葉は「美と強さの文学」でしょう。
能、陶磁器、和装、剣、禅、日本の中世の芸術、風情ある女人、綾なす逢瀬の時・・・
こういった数々の「美」によって紡ぐ現代小説です。
「舞いの家」「残りの雪」「冬のかたみに」「紬の里」等が入門編です。

引き続き静養中2003年01月17日 00時00分00秒

もう高熱が出る事はないでしょうが用心して寝ています。
正月はほとんど仕事ばかりしていたので、遅い正月だと思って読書三昧。
ずっと以前に読んだ 澁澤龍彦 著 「三島由紀夫おぼえがき」を引っ張り出して読み返しています。
それにしても三島由紀夫、及び、いわゆる三島事件の研究本は星の数程ありますね。
読んだもので特別印象深かったのは
岡村 青 著 「森田必勝・楯の会事件への軌跡」
結構話題にもなった本なので、たいていの図書館にあると思います。
ああいかんいかん・・・ふとんに戻らなきゃ

好きな作家の話6「三島由紀夫」2003年01月18日 00時00分00秒


昨日の話の続きという事で・・・・
結局の所、輪廻転生を描いた最後の作品「豊穣の海」四部作
一「春の雪」 二「奔馬」 三「曉の寺」 四「天人五衰」
これにつきると思っています。
中でも 二「奔馬」が一番好きですが、まだ読まれていないなら順番に読む事をお勧めします。
そうでないとシカケが楽しめないので・・。

「今を大切に」は悪くはないけど2003年01月20日 12時00分00秒


仏教的な考え方に関係のある書物では、ほとんどの場合どこかに「時空=時間と空間」について書かれた箇所があります。
またまたヘッセのシッダールタからの引用・・・
物語終盤でシッダールタが旧友ゴーヴィンダに「時間は実在しない」と教え諭すのですが、若い時はその論理が理解出来なくてとてももどかしい思いをしました。
もちろん今でも完全に解ったわけではないですが、40歳も近くなると自分なりの解釈というやつができるようになります。

人は「今現在」を認識する事しかできません。
過去や未来という「概念」が存在するだけで、過去や未来を「実感」することなどできないのです。
誰にとっても「今、此処、私」以外はありえないのですから、なんとなく浅薄に聞こえる「今を大切にしたい」という考え方は間違ってはいないと思います。
ただし、「今、此処、私」だけに意識の焦点を合わせていると、それは我侭な子供じみた、単なる刹那主義にすぎません。
何時に於ける自分も、何処に有っての自分も、誰にとっての今も、同じ様に大切なのですから、「今、此処、私」と同時に「何時でも、何処でも、誰でも」という普遍性を合わせ持つべきです。
ところで・・断っておきますが、私は全くの無宗教です。

好きな作家の話「アーネスト・ヘミングウェイ」2003年01月24日 12時00分00秒


簡単に手に入る有名な作品は殆ど読みましたが、恋愛ものは一回読んでそれっきり(ほとんど忘れてしまいました)
男臭い主人公のハードな小説が好きで、それらは何度も読み返しました。
「海流の中の島々」=トマス・ハドソン や御存じ「老人と海」=サンチャゴ老人、 退廃の中で独りストイックな傷ついた男「日はまた昇る」=ジェイク 等。
短編集も良いですね。
自伝的色彩が濃い、いわゆる「ニックアダムズ物」といわれる短編も独特の雰囲気です。