FM音源の基礎知識2018年01月14日 07時18分28秒

iPhoneで動作する、DX7互換FM音源シンセサイザーが発売されたそうです。

藤本健の“DTMステーション”
『世界初・iOS上のDX7互換音源が誕生。KQ Dixieは日本人の開発で480円!』

以下、読む人は少ないと思いますが、ずっと以前、音楽専門学校の授業用に作った資料を載せておきます。
FM音源では、どういう原理で倍音を発生させているかを解説したものです。

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FM音源シンセサイズ(Frequency Modulation Synthesis) に必要な条件 ーーー

・Carrier と Modulator 最低2つのオシレータが必要
・双方の周波数値のオフセットが取れる事
・どちらも鍵盤入力からの音程制御にリンクする事

FMの原理 ーーーーーーーーー

*Carrier と Modulator 2つのオシレータが、共に正弦波のみを出力すると仮定
*正弦波 は y=sinx で表される

FMとは、Carrier 側の yの値に、Modulator 側の yの値を加算する事。
 >>> FMのつまみを上げる(→ Modulatorの出力を上げる)事は、Modulator 側の yの値をCarrier 側の yの値に加算する事になるので、正弦波との違い(倍音成分)が生じる。Modulator の周波数を上げると、Carrierの波形をより頻繁に邪魔するので、高次周波数成分=高い倍音が生じる。

CarとModの周波数比率が複雑ならば非整数次倍音が発生する

    ModlatorがCarrierと同じ周波数で加わった状態 y=sin(x+sinx)
    Modulatorの出力を上げた状態は y=sin(x+@sinx) 振幅を@倍するという事
    Modの周波数を上げた状態は    y=sin(x+sin¥x)
    *¥が0.1では少しだけ変化するが、大きくすると高次倍音が出る

FMで発生する倍音 ーーーーーーー

FMでは、Carrierの周波数に対し、Modulatorの周波数を整数倍した数値を加算・減算した周波数が発生する。Car_440hz、Mod_100hzならば、440hzを中心に高い方は540hz、640hz、740hz、840hz・・・低い方には340hz、240hz、140hz、40hz、さらに0hzを超えたマイナスの値(-60、-160、-260・・)は0hzを鏡のようにして折り返されて、60hz、160hz、260hzとして逆位相で現れる。これをエイリアシングと呼ぶ。